
こんにちは!今回は「敗者のゲーム」を解説します。投資で「勝つ」ことではなく、「負けないこと」を目指す大切さを説いています。チャールズ・エリスは、多くの投資家が知らないうちにリスクを増やしていることを指摘し、賢い投資方法をシンプルに解説しています。
この本の1番の重要な「負けない投資」がどんな意味が解説していきます
「敗者のゲーム」は、投資の世界で生き残るために必要な基本原則を説いた投資名著です。
著者チャールズ・エリスは、多くの投資家が「市場で勝つ」ことを目指し、頻繁に売買を繰り返すことで損失を重ねる現実を指摘します。
彼は、勝つことを目指すのではなく、「負けない」ことこそが投資成功のカギであると強調します。
この本は、リスクを最小限に抑え、無駄な取引を避ける「シンプルな投資戦略」の重要性を解説しています。
また、長期的に市場に参加し続けることが資産成長の近道であることを、多くのデータや事例を用いて示しています。投資初心者から経験者まで、全ての投資家にとって学びの多い一冊です。
🟢 なぜ市場で勝つためには「敗者のゲーム」が重要なのか?
「敗者のゲーム」は、多くの投資家が市場で「勝つ」ことを目指し、結果的に損失を重ねる現実を示しています。プロの投資家でさえも市場で安定して勝ち続けることは難しく、個人投資家はさらに不利な立場に立たされます。
著者チャールズ・エリスは、「勝つ」ことよりも「負けない」ことが重要だと説いています。彼は、コストを最小化し、長期的視点で投資を続け、無駄な取引を避けることで、投資成功の可能性を高める方法を示しました。
味方にする:エリスが説いた長期投資の重要性
チャールズ・エリスは、個人投資家が「勝つ」ことを目指すよりも、「負けない」ことを優先すべきだと強調しました。そして、その鍵となるのが「時間を味方にすること」です。
市場は短期的には予測困難で、価格は感情やニュースに大きく左右されます。しかし、長期的に見ると市場は成長する傾向があり、その成長を享受できるのは「長期間市場に居続ける」投資家だけです。
長期投資の効果は複利によってさらに強化されます。たとえば、5%のリターンで運用した場合、10年後には1.63倍、20年後には2.65倍に成長します。エリスはこの「時間の力」を活かすことが、個人投資家が「負けない」ための最も強力な武器だと語っています。
🟢 3. 重要なエピソード:テニスの例え
チャールズ・エリスは、投資をテニスに例えています。プロのテニスは「勝者のゲーム」であり、技術と戦略で相手に勝つ。しかし、アマチュアのテニスは「敗者のゲーム」。相手のミスを待つことが勝利の鍵です。
テニスでも卓球でも野球でも相手がミスをするからチャンスが生まれます。例えばピッチャーが甘い玉を投げてしまった。バッターは読みが外れた。テニスでは思ったよりもジャストミートできなかったなど、相手のミスにより得点が生まれます
投資も同様です。個人投資家が市場で勝つのは難しいため、ミスを避けること(無駄な売買、手数料、高リスク取引)が成功につながります。
優良な銘柄を選んで、目標の売り時まで待てば勝てる確率が高くなると思います。
ですが、たまに来る暴落で「もっと下がるかも」と思って株を売却した途端に、市場が回復して元の株価に戻ることは株式市場のあるあるですね
🟢 4. 「敗者のゲーム」の3つの教え
① コストの最小化
- 解説:投資で重要なのは、収益だけでなくコストも考慮すること。手数料、税金、運用費用などがリターンを圧迫します。低コストインデックスファンドの活用がカギです。
ファンド名 | 運用会社 | 信託報酬(年率) | 投資対象 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.0578% | 全世界株式(日本含む) | 業界最低水準の信託報酬で、全世界に分散投資可能。 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.0578% | 全世界株式(日本除く) | 日本を除いた全世界に分散投資。 |
楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 0.0561% | 全世界株式(日本含む) | 楽天の低コストファンドで、全世界に投資可能。 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBIアセットマネジメント | 0.0938% | 米国株式(S&P500) | 米国の主要500社に投資。 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.0814% | 米国株式(S&P500) | 米国の主要500社に投資。 |
たわらノーロード 先進国株式 | アセットマネジメントOne | 0.09889% | 先進国株式 | 先進国に分散投資。 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.09889% | 先進国株式 | 先進国に分散投資。 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 0.162% | 米国株式(全体) | 米国全体の株式市場に投資。 |
iFree S&P500インデックス | 大和アセットマネジメント | 0.198% | 米国株式(S&P500) | 米国の主要500社に投資。 |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.09889% | 先進国株式 | 先進国に分散投資。 |
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を100万円購入した場合、年間手数料は 100万円×0.0578%=578円 です。
10年前(2015年頃)の投資信託手数料
現在の投資信託手数料(例:eMAXIS Slimなど)
- 購入時手数料:0%(ノーロードが主流)ほとんどのインデックスファンドは購入時手数料が無料です。
- 信託報酬(運用管理費用):0.1%以下(インデックスファンド)超低コストで、長期保有時のパフォーマンスに有利です。
- 信託財産留保額(解約時手数料):0%(設定されないことが多い)解約時手数料がかからず、流動性が高いです。
手数料の差が最終的な利益に与える影響
10年前の高コスト投資信託と、現在の低コストファンドで、100万円を1年間運用し、価格が3%上昇した場合を比較してみましょう。
- 10年前(高コスト投資信託)
- 購入時手数料:100万円 × 3% = 3万円
- 信託報酬:100万円 × 2% = 2万円(1年間)
- 解約時手数料:100万円 × 0.5% = 5,000円
- 1年後の元本:97万5,227円
- 現在(低コストファンド:eMAXIS Slim)
- 購入時手数料:0円
- 信託報酬:100万円 × 0.1% = 1,500円(1年間)
- 解約時手数料:0円
- 1年後の元本:102万8,455円
なぜこの差が大きいのか?
- 購入時手数料:10年前は3%も取られていましたが、現在は0%(ノーロード)。
- 信託報酬:10年前は2.0%で、毎年の運用コストが高額でしたが、現在は0.1%以下。
- 解約時手数料:10年前は0.5%の手数料がかかっていましたが、現在はほぼ0%。
このように、手数料の差は単にコストを削るだけでなく、 投資家が最終的に得られる利益に大きく影響 します。
もしこの投資を10年間続けたら、さらに大きな差が生じます。
昔よりはるかに安くなり、優良なファンドが増えた理由
過去数十年で、投資信託業界は大きく進化しました。かつては「高コスト・低リターン」のファンドが主流でしたが、現在は 「低コスト・高品質」 の優良ファンドが数多く存在しています。この変化にはいくつかの理由があります。
1. インデックスファンドの普及
- 昔はアクティブファンド(プロが銘柄を選ぶファンド)が主流で、 信託報酬(手数料)が1〜3% と高額でした。
- しかし、インデックスファンド(市場全体に連動するファンド)の普及により、 信託報酬が0.1%以下のファンドも登場。
- 例:eMAXIS Slimシリーズは「全世界株式」「S&P500」など、低コストで幅広い市場に投資できます。
2. インデックスファンド同士の競争
- 投資家に人気のインデックスファンドは、各運用会社の競争が激化しています。
- その結果、コストがどんどん引き下げられ、 年0.05%以下の超低コストファンド も登場しました。
- 例:Vanguard(バンガード)、ブラックロック(iShares)、三菱UFJ国際投信(eMAXIS Slim)は、業界をリードしています。あと楽天やSBI証券は若者に特に人気があります
② 長期視点での市場参加
- 解説:短期的な利益を追求すると、リスクが高まりやすいです。市場は長期的には成長する傾向があるため、時間を味方につけることが大切です。

このチャートからもわかるように、S&P500は長期的に見て堅調な成長を続けています。
短期的な下落局面もありますが、時間をかけて回復し、さらに高値を更新しています。このような傾向は、長期投資の有効性を示しています。
インデックス投資を行う際は、短期的な市場の動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。時間を味方につけることで、市場全体の成長を享受し、安定した資産形成が可能となります。
③ 市場に参加し続ける
頻繁な売買はリスクを増やします。市場を信じ、長期で保有し続けることで安定したリターンが期待できます。
暴落が来ても、売却せず市場から撤退しなければ株価も上のチャートのようにまた戻るかもしれませんし、市場から撤退しなければ負けません
🟢 5. まとめ:あなたも「敗者のゲーム」から卒業しよう
投資で成功するためには、「勝つ」ことよりも「負けない」ことが重要です。
- コストを最小化し、リターンを確保。(上のインデックス低コスト表を参考)
- 長期投資で市場の成長を享受。 (基本、市場は右肩上がり)
- 無駄な売買を避け、シンプルな戦略を維持。 (何かしなけらばいけない心理をなくす)
あなたもこのシンプルな戦略で、投資を楽しみながら成功を目指しましょう。
🟢 6. 関連リンク
まとめ
「敗者のゲーム」は、多くの投資家が陥りがちな「勝つこと」を目指す姿勢を見直し、「負けないこと」に集中する重要性を教えてくれます。
- コストを最小限に抑え、無駄な手数料を避ける。
- 長期視点で投資し、時間を味方につける。
- 無駄な売買を避け、「何かしないといけない心理」を克服。
これらの教えを実践すれば、あなたも市場で「勝つ」よりも「負けない」安定した資産形成を実現できます。
人間は苦労しないと成長しない、何かしないと成功しないと思い込んでいることがあります。「お金を儲けるんだから、時間も体力も使わないと儲からないような気がする」
人は「苦労しなければ成長しない」「何かしなければ成功しない」と思い込みがちです。特に「お金を稼ぐためには、時間や体力を使わなければ儲からない」と感じてしまうことも多いでしょう。
サッカーのPKでは、実はゴールキーパーが中央に立ち続けた方が失点を防げるというデータがあります。時には「動かない勇気」を持つことが、最良の選択になることもあるのです。
以上です。このブログが少しでも参考になって他の記事も読んでくれたら嬉しいです。
このブログを読んでいただけた方には「お金の苦労」がなくなれば良いなと思っています。
では次の記事でお会いしましょう!
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